神戸の家2015 2015年4月竣工 |
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相談を受けたのが2013年の秋。そこには、戦後間もないころに造られた2階建ての住宅がありました(写真下)。 ・一人暮らしには広すぎる ・隙間風が吹き抜ける 対策として「減築」を考えたのですが、それだけでは済みそうにない。そこで、規模を半減して建替えることを勧めた。 時間を掛けてクライアントの意見を聞き、生活パターンの洗脳を含めて「ショールーム巡り」を行いました。その結果、 ~10年間「快適な生活」ができること~ この条件で計画・設計を始めました。 ・平屋の木造住宅で、20坪の規模とする ・10年後も品質の担保が出来るよう 「住宅性能評価」を受ける ⇒最新のハイテクを活用したネット環境 ⇒最新のハイテクを活用した水回り (キッチン・トイレ・バス) ⇒耐震耐風強度のランクアップ ⇒省エネ基準は最高ランク (ヒートショック防止) ⇒建物は完全バリアフリー ※道路と敷地の高低差は、必要が生じた ときに「段差解消機の設置」を行う 私は、建設費とは~至極私的な「寝具・衣類・什器・食品」があれば直ぐに住める~までの費用と考えています。 ・測量及び地質調査 ・解体費(既存建物) ・設計料 ・建築工事 ・設備工事 (給排水衛生・照明を含む電気・空調・ インターネット系IT) ・エクステリア(造園を含む) ・オーニング工事 ・据付家具及び家具購入 ・家電製品一式 ・登記費用 一般的に言われる建設費は、設計料・建築工事・設備工事の基本的な部分だけですから、私の考える建設費の6割程度です。でも上記項目は『住む』のに絶対に必要な費用です。 結果から言えば「キツイ予算」で、請負った工務店の不手際もあって、工期が7ヶ月も遅れることとなりました。それでも、仕上げ工程を受けてくれた技術者のお陰で、良い建物が出来ました。 それでは内部もご紹介します。 |
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ここには ・朝陽を取り入れる高窓 ・お客様が宿泊する場合の区画スクリーン ・プロジェクタースクリーン ・24時間暖房器具 など、工夫がいっぱい詰まっています。 この建物で使用したクロスは、1種類だけです。メンテが必要な時に容易にできるようにするためです。クロスは臭いを分解(消臭効果)の機能を持っています。 ワンポイントで使っているエコカラットは湿気を調整(吸収放出)機能を持っています。 リビング(家具搬入後) PCデーブルと会議テーブルがあり、10人くらいでミーティングできる広さがある。 クライアントは六甲山を生活のフィールドにしており、お仲間が集まることも多い。フィールド活動の映像を100インチスクリーンに映し出すこともるできようになっている。 ダイニングはキッチンカウンターを挟み対面している。 間仕切りを最小に抑え、最短の動線で機能的に生活できる。クライアントもそのことを実感して、喜んでいました。 玄関(写真下)もバリアフリー 収納たっぷりのシューズラックや、来客用の収納スペースを持っています。 |
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寝室 |
寝室 |
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寝室 |
寝室に付属するウオークインクロゼット |
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キッチン(電化製品搬入前) |
キッチン(食洗機や浄水器も組込まれている) |
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洗面脱衣洗濯室とトイレを一体化しました。限られたスペースで「車いすでの移動」が出来るようにするためです。 洗面化粧台は上下に昇降でき、車いすに対応しています。その周りの収納は、バスタオルや下着にパジャマなどをストックするためです。 トイレも自動化しています。リモコン操作で蓋の開け閉めもでき、洗浄消臭は自動です。 浴室はガラス張りでとても開放感があります。 この全てを併せて2坪しかないのですが、細かい仕切りをなくし、視線を妨げないことで、とても広く利用できます。 バスタブは魔法瓶仕様、お湯はりは全自動です。 クライアントは「とても気持ちが良い」と、この浴室がいたくお気に入りだそうです。 |
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ウッドデッキでお祝い! ここには電動のオーニングもあり、夏の暑い日差しもカットできるようにしている。 |
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途中から、近所に住む子供4人が飛び入り参加。実は、このように「集まれる空間」も設計目標でした。早くも「思惑的中」で嬉しい限りです。道路幅は3mと狭い。日本古来から「露地の文化」にピッタリの幅なのに、ご近所の家々は「高い塀」を巡らせて、露地のつき合いを拒否してきたと思う。それがこの家の出現で、まさに「垣根が取れた」ように思います。 | ||||
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